今年のナンバーワン、ナンバーツー右腕の木佐貫、久保を両取りする原監督。出身の東海大閥も築きつつある |
ペタジーニ&中村ダブル獲得に乗り出し、批判を浴びている巨人が、11・20ドラフトでも乱獲作戦を展開。他球団の怒りを買っている。(夕刊フジ編集委員・江尻良文)
自由獲得枠でマックス151キロの亜細亜大・木佐貫洋、7つの球種を操る東海大・久保裕也と、大学球界を代表する右腕コンビを獲得している巨人。
それでも満足せずに、高校球界ナンバーワン左腕の東北高・高井雄平にまで触手を伸ばしている。ヤクルト、近鉄、日本ハムが、高井の1位指名を公言しているのに無視。自由獲得枠「2」を使い切ったために、ドラフト4位で獲得しようという虫のいい作戦。
亜細亜大・木佐貫洋 |
「巨人以外にはプロへ行きません」と、高井に宣言させているのだ。
単なるブラフではなく、ヤクルト、近鉄、日本ハムが高井を1位指名してきたら、社会人の新日本石油入りさせる手はずを整えている。
さらには、高校球界ナンバーワン野手と評判の東海大望洋高・長田昌浩遊撃手まで囲い込んでいる。「巨人に行きたい。それ以外の球団から指名されたら、東海大に進学します」と、長田は東海大進学を口にする。
「打てて守れる素晴らしい遊撃手だから、どこも欲しいよ。でも、巨人・原監督の母校・東海大入りを口にされたら、お手上げだろう」と、ある球団のスカウトが怒りの白旗宣言をする。
東海大・久保裕也 |
木佐貫、久保の大学球界の即戦力右腕コンビ獲得にもあきたらず、高校球界のナンバーワン投手、野手コンビの高井と、長田まで取ろうというのだから、驚くしかない。
強欲な乱獲ドラフトと、他球団が非難するのも当然か。
同時に、このドラフト作戦は原監督の東海大閥作りの一面も見え隠れする。
東海大・久保、東海大の系列高校の東海大望洋・長田。東海大学グループの有力選手はすべて抱え込んでしまおうという思惑が感じられる。
今季、巨人が日本一になった原動力の一人、エース・上原も、高校は東海大仰星だ。
プロ野球界では東海大は新興勢力の一つにすぎない。東海大出身の日本一監督は、原監督が第1号だ。
近い将来、読売巨人軍ならぬ、東海大巨人軍に看板変えになりかねない。
ZAKZAK 2002/11/19